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クリスマスツリー

「ジャパンものづくりカルタ」第11回のテーマは「クリスマスツリー」についてのお話でした。
欧米では大きなもみの木を毎年大量に育て一般家庭にも普及しますが、日本では樹木以外のツリーが一般的です。最近ではもみの木の製造方法も進化を遂げています。

最近では、より本物に近いツリーを造るために本物のもみの木などの植物を3Dデータ化したいという要望があります。データ化の際に重宝されるのが、第1回、第9回でお話ししたCTスキャンです。

  • モミの木

  • 植物をCTスキャンする

    針葉樹の葉など複雑な形状の植物を3Dデータ化する場合、3Dデータ作成用の光学式スキャンでは無数の枝葉によって光が内部全体まで届かず、部分的にしかスキャンすることが出来ません。CTスキャンであれば、360℃のあらゆる方向から撮影した画像データをコンピュータ処理により立体的にデータ化することが可能です。

盆栽を3Dプリントする

実際に植物を3Dデータ化・プリントした事例をご紹介します。
もみの木同様極めて複雑な形状をもつ盆栽をCTスキャンして、粉末焼結(ナイロン)造形で再現しました。CTスキャンを行ったことで、微細な葉の形状や、盆栽内部までスキャンすることに成功しました。その結果、樹木の内部に埋め込まれた針金や、幹の年輪まで可視化することが出来ました。
スキャンしたデータはSTLデータに変換し、3Dプリンターで出力することができます。プリント方式は、盆栽の複雑な形状を考慮し、サポート材が不要で強度にも優れる粉末焼結(ナイロン)造形で行っています。

  • 盆栽

  • 盆栽の3Dプリント

ナイロン造形ではナイロンの粉末をレーザーで焼き固めて積層させることでモデルを作製します。ナイロン造形の特徴は100℃以上の環境にも耐える耐熱性と、自動車部品にも採用されるほど耐久性が優れています。
盆栽の製作には、松葉の複雑な形状を考慮しサポート材が不要で強度にも優れるナイロン造形を採用しました。出力された盆栽モデルは白色ですが、表面塗装を施すことにより色付けすることも可能です。

せ

クリスマスツリーに飾り付けを施す風習は14世紀のドイツで誕生したと言われています。キリスト教ではツリーの元であるもみの木は、1年中葉が枯れないことから”生命の永遠”の象徴とされていました。
これからはCTスキャンや3Dプリンターという新たな技術が、生物や植物の謎を解き明かす重要な鍵になりそうです。