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CTスキャン②

「ジャパンものづくりカルタ」第9回のテーマは「CTスキャン」についての2回目のお話でした。
11月の第4木曜日はアメリカのサンクスギビングデーにあたりますが、私たちが今最も感謝したい技術の一つに初回放送で取り上げたCTスキャンがあります。

第1回目では医療用CTと産業用CTの違いについてお話しましたが、第2回では産業用CTスキャンの装置について詳しくお話します。
産業用CTでは長時間をかけて精密なデータを撮ることができるため、工業製品の品質検査や開発材料の評価などに利用されていますが、撮りたいデータの種類や撮影サイズによって使用するCT装置が異なります。

  • CTスキャンの内部測定3

  • 0.001mmを捉えるナノフォーカスCT

    ナノフォーカスCTは0.001mmほどの非常に微細な形も捉えることができ、微小動物や小さい魚の歯並び、つけまつげの形状まであらゆる小さなものに対応可能です。主に製品内部の品質検査(クラック、ボイド、鋳巣などの検出)、製品内部の寸法測定、外観形状の3Dデータ化、ガラスフィラーなどの繊維方向の確認、生物試料の内部状態の可視化に用いられています。
    しかしながら装置内部のワークサイズは25cm四方以下と限られており、撮影対象は小さなものに限られます。

厚みのある部品にも対応できるマイクロフォーカス、ミリフォーカス

30cm以上の対象物を測定する場合は、マイクロフォーカス、ミリフォーカスという装置を使用します。
マイクロフォーカスではナノフォーカスよりも撮影サイズが幅広くなることに加え、高解像度の機種であればナノフォーカスに迫る精度で検出することができ、優れた画質と利便性を両立しています。
主な撮影対象は軽金属や複数の部品が組み合わさった製品です。

  • CTスキャンの内部測定1

  • CTスキャンの内部測定2

ミリフォーカスCTスキャナは、ナノ、マイクロフォーカスCTスキャナと比較すると、X線管最大電圧は450kVとX線の透過力も高いため、ある程度の厚みを持った金属・樹脂でも撮影が可能です。
また装置内部のワークサイズは1mを超えるものも存在し、ナノ、マイクロフォーカスCTスキャナでは撮影が出来ない大型サンプルも撮影が出来ます。これらの理由から、アセンブリされた部品や軽金属製品の内部品質検査(クラック、ボイド、鋳巣などの検出)、内部形状の寸法測定、肉厚測定などに用いられ、自動車や航空・宇宙、産業機械、ロボット、造船などの産業分野で活用されています。

ぶ

CTスキャナは年々進化していき、より高出力・高精度の装置が年々開発されています。 人体をナノフォーカスレベルで撮影でき、同時に被ばく線量も抑えたCTスキャナが開発されれば、今まで見つけられなかった小さながん細胞を発見することができるかもしれません。
私たちの生活をより良くしてくれる、未来を担う測定技術にこれからも注目していきたいです。