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炎の色

「ジャパンものづくりカルタ」第6回のテーマは、「炎の色」についてのお話でした。
11月初旬に立冬を迎えた日本列島ですが、ゆらゆらと揺れるオレンジの焚き火を眺めていると、心が落ち着き癒される気がしますね。

  • 焚き火の炎は700度のオレンジ色です。

  • 星の中には高温で燃え続ける恒星があります。

炎は一般的なオレンジ色の他、様々な色に変化することがわかっています。一つは温度の高さによって色が変化する現象「色温度」。
色温度は赤色が最も低く約1500度、黄色は約3500度、白は約6500度、青は約10000度〜と変化していきます。
また夜空を見上げると、赤や白、青に輝く恒星を見ることができますが、星の色も温度によって異なることが分かっています。

色温度と工場

町工場や鍛冶屋で、職人が暗い中で鉄を叩いている・・・そんなイメージがありませんか?
これは暗い場所で色によって熱している鉄の温度を確かめる為です。現在は性能の良い温度計が開発されたためその必要はありませんが、昔の工場では温度計に頼ることなく職人の経験による目視で温度を確認していました。
350度で鉛、700度でアルミ、1200度で銅、1500度でようやく鉄が溶ける温度になります。

  • 燃やす元素の種類に応じて炎の色が変化します。

  • 炎色反応

    キッチンで普段目にするガスコンロの青い炎も、10000度以上もあるのでしょうか?
    実は、ガスコンロの炎は焚き火と同じく1700度程度。何故青色になるのかというと、「炎色反応(えんしょくはんのう)」という現象のためです。
    炎色反応とは、特定の金属を炎に入れ高温で熱すると、その種類に応じて炎の色が変化する現象です。主な色の変化は左図をご覧ください。
    先述のガスコンロの青い炎は、メタンガスを発生させたことによる炎色反応です。

夏の風物詩である花火は様々な美しい光で私たちを楽しませてくれますが、花火の色変化も炎色反応を利用しています。
火薬に銅やバリウムなどの金属を混ぜ打ち上げると、爆発時に炎色反応を起こし色が変化します。花火職人は美しい色を出すために、込める金属の割合を細かく考えながら火薬を調合しています。

か

今回は炎の色についてお話しました。化学が好きな方は、そうそう!と思われたエピソードも多かったのではないでしょうか。
今日では炎の温度を目で見極めることは少なくなりましたが、昔の鍛冶職人は暗い空間の中、長い時間炎と向き合いながらものづくりに励んでいました。
また明治以降に様々な金属が輸入された後は、花火職人も炎色反応の研究を重ねて花火の色づくりに取り組みました。
ものづくりと炎の色は、今も昔も切っても切れない関係にあるようですね。