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「ジャパンものづくりカルタ」の記念すべき第1回放送は、JMCでも取り扱っている「CTスキャン」をテーマにお届けしました。
病院等で見かけるけれど詳しくは知られていないCTスキャンについて、その構造や医療以外の場面での知られざる活用事例、そしてその未来について、鈴木専務が語りました。

  • 鈴木専務

  • ラジオ収録風景

健康診断などで受ける機会のある「レントゲン」「MRI」「CTスキャン」。その違いは、撮影方法と得られる結果にあります。
レントゲンとCTスキャンはX線、MRIは磁力を用いて撮影します。中でもレントゲンは最も古い撮影技術で、1方向から撮影して2次元的な画像を得る技術です。CTスキャンはレントゲンを応用した技術で、被写体に対して360度全方向からX線を当てることで、物の内部を三次元的に見ることができます。
一方でMRIはCTスキャンと似た目的で使用されますが、使う技術が違うため、得意とする対象が異なります。

  • キャプションのダミー


  • 医療用CTと産業用CT

    医療用CTスキャナは、生体を撮影するため被曝線量を抑えることが最も重要です。生体のブレを抑えるためにX線管と検出器が生体の周りを回転し、高い線量を使って極めて短い時間で撮影を行います。

    一方、産業用CTスキャナは工業製品を撮影するために被曝線量を抑える必要がなく、X線菅と検出器が固定された代わりに製品を設置した回転台が動き、低い線量で長時間の撮影を行います。このため、産業用CTスキャナは人体を撮影する医療用CTよりも高品質なデータを得ることができます。

産業用CTの活用現場

産業用CTスキャンの技術は、文化財の研究や保存をする際にも利用されています。2015年、東京国立博物館は古代エジプトのミイラをCTスキャンした画像を公開しました。文化財の構造を3次元的に調査することができるCTを導入したことで、ミイラの内部構造がより詳細に解析されただけでなく、やがて朽ちてしまう文化財のデータを保存することができました。
また、仏像など内部が空洞の文化財をCTスキャンした場合、内部構造からどんな宗派の職人が作ったかが判明したり、中に入っている巻物・工具の存在が発見されたりすることがあります。
ものづくりの世界でも、例えば「自動車」や「カメラ」などの製品において、内部欠陥を発見する為に、また内部の部品計測を正確に行う目的でCT技術が使われます。
これらの技術は「非破壊検査(物体を壊さずに内部を調べる)」と呼ばれており、あらゆる分野で利用されています。

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ドイツのヴィルヘルム・レントゲンが1895年にX線を発見してから129年。X線を利用した撮影技術は、今や私たちの生活に欠かせない技術となりました。
医療現場では、それ以前は病気や怪我をしても、その体を切って中を確かめることでしか原因を解明出来ませんでしたが、レントゲン検査やCTスキャン検査を受けることで体を傷つけずに状態を確認できるようになったことで、医療技術は飛躍的な発展を遂げています。
「X線」「放射線」「CT」などの言葉自体は普段そこまで親しみが無いように思えてしまいますが、その存在を紐解くと、意外にも私たちの生活の中に幅広く浸透していることが分かります。